ワーキングホリデービザとは?対象国・条件・就労制限・在留資格変更の方法

この記事で解決できるお悩み
  • ワーキングホリデーの対象国や年齢制限を確認したい
  • ワーホリ中の就労制限を知りたい
  • ワーホリから他の在留資格への変更ができるか知りたい

ワーキングホリデービザは、二国間の協定に基づき、若者が相手国で休暇を楽しみながら一定の就労も認められる特別な在留資格です。日本は2026年時点で30の国・地域とワーキングホリデー協定を締結しており、毎年多くの外国人がこの制度を利用して来日しています。「対象国はどこか」「年齢制限は何歳までか」「どんな仕事ができるのか」「ワーホリから就労ビザに変更できるのか」など、制度の基本から実務上の重要ポイントまで、この記事で網羅的に解説します。

ワーキングホリデー制度の概要

ワーキングホリデー制度とは、二国間の協定に基づき、相手国の青年が自国の文化や一般的な生活様式を理解するために、休暇を目的として一定期間の滞在と、その間の滞在費を補うための付随的な就労を認める制度です。日本ではワーキングホリデー査証(ビザ)が発給され、在留資格は「特定活動」に分類されます。

項目 内容
在留資格 特定活動(ワーキングホリデー)
滞在期間 原則1年間(一部の国は延長可能、最長3年)
年齢制限 原則18歳〜30歳(国によって異なる)
就労 可能(ただし「休暇」が主目的であり、就労は付随的なもの)
定員 国ごとに年間発給数の上限あり
利用回数 原則として同じ国に対して一生に一度

ワーキングホリデーの最大の特徴は、就労ビザと異なり業種や職種の制限がほとんどない点です。飲食店のアルバイト、ホテルのフロント、農場での作業、英会話講師など、幅広い仕事に就くことが可能です。ただし、風営法に関連する業種(バーやナイトクラブでの接客業務など)は原則として禁止されています。

日本とワーキングホリデー協定を締結している国・地域

2026年時点で日本がワーキングホリデー協定を締結している国・地域は以下の30か国です。

地域 国名 年間発給枠 年齢上限
オセアニア オーストラリア、ニュージーランド 制限なし(豪)、制限なし(NZ) 30歳(豪は35歳)
ヨーロッパ イギリス、フランス、ドイツ、アイルランド、デンマーク、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スペイン、チェコ、アイスランド、リトアニア、スウェーデン、エストニア、オランダ、イタリア、フィンランド 国によって異なる(多くは1000〜6500人) 30歳
アジア 韓国、台湾、香港 10000人(韓)、10000人(台)、1500人(香港) 30歳
北中南米 カナダ、チリ、アルゼンチン 6500人(加)、200人(チリ)、400人(亜) 30歳
その他 イスラエル、ウルグアイ 各100〜400人程度 30歳

(上記の年間発給枠は国ごとに異なり、変更される場合があります。オーストラリアは2024年に年齢上限を35歳に引き上げた点が注目されます。また、イギリスとのワーキングホリデー(Youth Mobility Scheme)は2024年に発給枠が大幅に拡大されました)

人気の高い国と発給状況

日本にワーキングホリデーで来る外国人の中で最も多いのは、韓国、台湾、オーストラリア、フランスの国籍者です。特に韓国と台湾からの利用者は年間数千人に達しており、日本語学習や日本文化への関心の高さが背景にあります。逆に、日本からワーキングホリデーで渡航する先としては、オーストラリア、カナダ、イギリスが人気です。

ワーキングホリデービザの申請条件と手続き

ワーキングホリデービザの申請条件は国によって多少異なりますが、基本的な要件は共通しています。

基本的な申請条件

  • 年齢は申請時に18歳以上30歳以下であること(オーストラリアは35歳以下)。一部の国は申請時点ではなく査証発給時点の年齢で判定
  • 国籍は協定を締結している国の国籍を有すること
  • 目的は日本での休暇を主な目的とすること(就労が主目的ではないこと)
  • 資金は滞在初期の生活を支えるのに十分な資金を持っていること(目安として25万円から50万円程度)
  • 健康は健康であり、犯罪歴がないこと
  • 保険は滞在期間をカバーする海外旅行保険または医療保険に加入すること(多くの国で要件化)
  • 過去の利用歴は同じ国との間でワーキングホリデービザを利用したことがないこと
  • 扶養家族は被扶養者を同伴しないこと

申請の流れ

  1. 在外日本公館(大使館・領事館)での申請。申請者の居住国にある日本大使館または総領事館に申請書類を提出します。オンラインでの事前登録が必要な国もあります。
  2. 書類審査は提出書類に基づいて審査が行われます。審査期間は通常1週間から1か月程度です。
  3. 査証の発給は審査が通過すると、パスポートにワーキングホリデー査証が貼付されます。査証には有効期限があり、通常は発給から3か月以内に入国する必要があります。
  4. 入国と在留カードの交付は査証を持って日本に入国すると、空港で在留カードが交付されます。在留資格は「特定活動」、在留期間は通常「1年」です。
  5. 住居地の届出は入国後14日以内に、居住地の市区町村役場で住民登録を行います。

必要書類

書類 内容
査証申請書 所定の様式に記入(国によって様式が異なる)
パスポート 有効期限の残りが十分にあるもの
写真 縦4.5cm×横3.5cm(規格は国による)
履歴書(CV) 学歴・職歴を記載
渡航計画書 日本での滞在計画(訪問先、活動内容など)
資金証明 銀行の残高証明書(通常25万円〜50万円程度)
航空券(または予約確認書) 帰国用の航空券、または購入に十分な資金の証明
保険加入証明 海外旅行保険または医療保険の加入証明(国によっては必須)

ワーキングホリデー中の就労に関するルール

ワーキングホリデービザでの就労に関して、知っておくべきルールを解説します。

就労の範囲と制限

ワーキングホリデービザでは、業種や職種をほぼ問わず就労が認められます。就労ビザのように特定の業務内容に限定されることはなく、以下のような仕事に就くことが可能です。

  • 飲食店(レストラン、カフェ、居酒屋など)でのホールスタッフ・キッチンスタッフ
  • ホテル・旅館のフロント業務、客室清掃
  • コンビニエンスストアや小売店の店員
  • 農場・牧場での農作業
  • 英会話教室の講師
  • 翻訳・通訳の仕事
  • IT関連のフリーランス業務
  • リゾートバイト(スキー場、温泉旅館など)

ただし、以下の業種は制限されています。

  • 風営法に関連する業務はパチンコ店、ゲームセンター、キャバクラ、スナックなどの接客業務は原則禁止
  • 同一雇用主のもとでの長期就労は国によっては、同一の雇用主のもとで6か月以上(または3か月以上)働くことが制限される場合がある

就労時間の制限

ワーキングホリデービザには、留学ビザのような週28時間の就労時間制限はありません。フルタイム(週40時間)で働くことも可能です。ただし、ワーキングホリデーの本来の目的は「休暇」であり、就労はあくまで付随的なものという建前があるため、就労だけに専念する滞在はビザの本来の趣旨にそぐわないとされています。

労働関連法規の適用

ワーキングホリデーで日本に滞在する外国人にも、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法などの日本の労働関連法規が適用されます。雇用主は、ワーキングホリデーの外国人に対しても以下の義務を負います。

  • 最低賃金以上の賃金の支払い
  • 労働条件通知書の交付
  • 残業代(時間外手当)の支払い
  • 社会保険・雇用保険への加入(一定の要件を満たす場合)
  • 労災保険の適用

ワーキングホリデーから他の在留資格への変更

ワーキングホリデービザの期間は原則1年間であり、更新はできません。ワーキングホリデー終了後も日本に滞在し続けたい場合は、他の在留資格への変更が必要です。

変更可能な在留資格

変更先の在留資格 主な要件 変更の難易度
技術・人文知識・国際業務 大学卒業(または実務経験10年)+雇用先の確保+業務内容と学歴の関連性 中〜高
日本人の配偶者等 日本人との婚姻
特定技能1号 技能試験+日本語試験の合格+雇用先の確保
留学 教育機関への入学許可 低〜中
経営・管理 事業所の確保+資本金500万円以上+事業計画
特定活動(本邦大学卒業者) 日本の大学を卒業+日本語能力N1+雇用先の確保

在留資格変更の手続き

在留資格変更許可申請は、ワーキングホリデーの在留期間内に入管に申請する必要があります。申請中は在留期間が満了しても、結果が出るまで(最長2か月)は適法に滞在できます(特例期間)。

変更申請を成功させるためのポイントは以下のとおりです。

  • 早めの準備は在留期間の満了直前に慌てて申請するのではなく、残り3か月程度の時点で準備を開始する
  • 要件の充足は変更先の在留資格の要件を事前に確認し、不足がないか確認する。特に就労ビザへの変更では、雇用先の確保と業務内容の適合性が重要
  • 書類の充実は申請理由書を丁寧に作成し、変更の必要性と正当性を入管に説明する
  • 行政書士への相談は変更申請は不許可リスクがあるため、専門家に相談することを推奨

変更が認められにくいケース

以下のようなケースでは、在留資格の変更が認められにくい傾向にあります。

  • 就労先が見つかっていないは就労ビザへの変更は、雇用先が確保されていることが前提
  • 学歴と業務内容の関連性がないは技人国ビザへの変更では、大学での専攻と業務内容の関連性が求められる
  • ワーキングホリデー中の在留状況に問題がある。資格外活動違反、犯罪歴、税金の未納などがある場合
  • 申請のタイミングが遅すぎるは在留期間満了の直前に申請すると、書類の準備が不十分になりやすい

ワーキングホリデーを最大限に活用するためのアドバイス

ワーキングホリデーは一生に一度の貴重な機会です。以下のポイントを意識することで、充実した滞在にすることができます。

日本語学習を継続する

日本語能力は、仕事の選択肢を広げ、日本での生活の質を大きく左右します。来日前からの学習に加え、滞在中も日本語学校への通学やオンライン学習、日本語能力試験(JLPT)の受験を通じて、日本語力の向上を目指しましょう。

目的を明確にする

ワーキングホリデーの1年間は、あっという間に過ぎます。「何を経験したいのか」「どんなスキルを身につけたいのか」「帰国後のキャリアにどうつなげるか」を事前に考えておくことで、有意義な滞在になります。

将来の在留資格変更を見据えた活動をする

ワーキングホリデー終了後も日本に滞在したい場合は、在留期間中に変更先の在留資格の要件を満たすための準備を進めましょう。就労ビザへの変更を目指すなら、早い段階から就職活動を始め、雇用先を確保しておくことが重要です。

保険と安全管理

海外旅行保険には必ず加入し、病気やけが、盗難、事故に備えておくことが重要です。日本の医療費は保険がなければ高額になるため、保険の補償内容(治療費、救援者費用、携行品損害など)を事前に確認しましょう。


最後に

ワーキングホリデービザは、若者が日本で休暇と就労を組み合わせた滞在を楽しむための魅力的な制度です。30か国との協定による幅広い対象国、業種を問わない就労の自由度、そして1年間という十分な滞在期間が特徴です。一方で、在留期間の更新ができないため、日本での滞在を継続したい場合は他の在留資格への変更手続きが必要になります。変更申請は不許可リスクがあるため、早めの準備と専門家への相談が重要です。

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