外国人を採用する際に就労ビザの申請を行政書士に依頼したいが、費用がいくらかかるのかわからない。事務所ごとの料金の違いをどう判断すればよいのか迷っている。そんな企業の人事担当者や外国人本人に向けて、就労ビザ申請を行政書士に依頼した場合の費用相場と、料金を比較する際の見方を解説します。
目次
就労ビザ申請にかかる費用の全体像
就労ビザの申請にかかる費用は、大きく「行政書士の報酬」「入管への手数料」「書類取得の実費」の3つに分かれます。
| 費用の種類 | 内容 | 目安金額 |
|---|---|---|
| 行政書士の報酬 | 申請書類の作成・提出代行の対価 | 30,000〜150,000円 |
| 入管への手数料 | 許可時に納付する収入印紙代 | 4,000円(更新・変更) |
| 書類取得の実費 | 住民票・納税証明書・登記事項証明書等の取得費用 | 数百円〜数千円 |
| 翻訳料 | 外国語の書類(卒業証明書等)の日本語翻訳 | 3,000〜10,000円/通 |
行政書士の報酬は自由設定のため、事務所によって大きな差があります。日本行政書士会連合会の報酬額統計調査によると、在留資格更新許可申請(就労資格)の平均報酬額は約54,000円ですが、実際には30,000円から100,000円超まで幅があります。
申請種別ごとの費用相場
就労ビザ申請の費用は、申請の種類によって大きく異なります。以下に申請種別ごとの相場をまとめます。
在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ)
| 料金帯 | 相場 | サービス内容の傾向 |
|---|---|---|
| 低価格帯 | 70,000〜90,000円 | 書類作成が中心、収集は依頼者が行う |
| 中価格帯 | 90,000〜120,000円 | 書類作成・収集・申請取次まで対応 |
| 高価格帯 | 120,000〜200,000円 | フルサポート(理由書作成・翻訳・コンサル含む) |
認定申請は新規の在留資格を取得する手続きのため、審査が最も厳しく、行政書士の報酬も更新申請より高くなります。
在留資格変更許可申請
| 料金帯 | 相場 | サービス内容の傾向 |
|---|---|---|
| 低価格帯 | 60,000〜90,000円 | 書類作成が中心 |
| 中価格帯 | 90,000〜120,000円 | 書類作成・収集・申請取次まで対応 |
| 高価格帯 | 120,000〜200,000円 | フルサポート |
変更申請は、たとえば留学ビザから就労ビザへの切替などが該当します。認定申請と同程度の料金設定が一般的です。
在留期間更新許可申請
| 料金帯 | 相場 | サービス内容の傾向 |
|---|---|---|
| 低価格帯 | 30,000〜40,000円 | 書類作成が中心 |
| 中価格帯 | 40,000〜60,000円 | 書類作成・申請取次まで対応 |
| 高価格帯 | 60,000〜100,000円 | フルサポート(転職後の更新を含む) |
更新申請は既に在留資格を持っている方の期間延長手続きのため、認定・変更に比べて料金は低めです。ただし転職後の更新は、新しい勤務先の業務内容との整合性が審査されるため、認定・変更と同水準の料金になる事務所が多い点に注意してください。
料金体系のパターンを理解する
行政書士事務所の料金体系には主に4つのパターンがあります。それぞれの特徴を理解したうえで比較することが大切です。
固定報酬制
申請種別ごとに料金が決まっているパターンです。事前に総額を把握しやすく、最も一般的な料金体系です。ただし、料金に含まれるサービスの範囲は事務所によって異なるため、「何が含まれて何が別料金か」を確認する必要があります。
成功報酬制
許可が出た場合にのみ報酬が発生するパターンです。依頼者にとっては不許可時のリスクがゼロになるメリットがあります。一方で、許可が確実に見込める案件しか受任しない傾向があるため、難易度の高いケースでは対応を断られることもあります。
着手金+成功報酬制
着手時に報酬の一部(通常50%程度)を支払い、許可が出たら残額を支払うパターンです。依頼者は初期費用を抑えつつ、不許可時のリスクも一部軽減できます。事務所にとっても着手金で最低限の報酬を確保できるため、難易度が中程度の案件でも受任しやすいというバランスの取れた方式です。
顧問契約制
外国人を継続的に雇用する企業向けに、月額固定の顧問料で在留資格管理を一括委託するパターンです。個別の申請ごとに依頼するよりも1件あたりの単価が下がるため、年間の申請件数が多い企業にとってはコストメリットが大きいです。
料金だけで選ぶと失敗する理由
費用を比較する際に最も注意すべきは、「安い=お得」とは限らないという点です。
安すぎる事務所のリスク
- 書類作成にテンプレートをそのまま使い、個別の事情に合わせた申請理由書を作成しない
- 入管への申請取次が含まれず、提出は自分で行う必要がある
- 不許可になっても再申請対応がなく、別途料金がかかる
- 連絡がとりにくく、追加資料の対応が遅れる
(実際に「3万円で就労ビザ申請」を謳っている事務所に依頼したところ、申請書の作成だけで入管への提出も理由書の作成も含まれていなかったというケースがあります。表面上の料金だけで判断するのは危険です。)
高額な事務所が必ず良いわけでもない
逆に、高額な事務所が必ずしも優れたサービスを提供しているとは限りません。大手法人の場合、事務所のブランド料が上乗せされていることもあります。大切なのは、料金に対してどこまでのサービスが含まれるかを具体的に確認することです。
費用比較で確認すべき5つの項目
複数の事務所を比較する際は、以下の5項目を揃えて比較しましょう。
| 確認項目 | 確認すべき内容 |
|---|---|
| 基本料金 | 申請種別ごとの料金(税込表示か税抜表示か) |
| サービス範囲 | 書類作成のみか、申請取次まで含むか、理由書作成は含まれるか |
| 追加料金 | 翻訳料、交通費、特急料金、不許可歴がある場合の加算 |
| 不許可時の対応 | 再申請無料か、返金保証があるか、別途料金がかかるか |
| 支払い条件 | 一括前払いか、分割可能か、成功報酬制か |
(比較する際は「A事務所は10万円で申請取次まで含む」「B事務所は6万円だが書類作成のみ」のように、サービス範囲を揃えてから金額を比較することが必須です。料金の数字だけを並べても正確な比較にはなりません。)
在留資格別の費用の違い
申請する在留資格の種類によっても、行政書士の報酬は異なります。
| 在留資格 | 認定・変更の相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | 90,000〜150,000円 | 最も申請件数が多い就労系在留資格 |
| 特定技能 | 120,000〜200,000円 | 支援計画の作成が必要で工数が多い |
| 経営管理 | 200,000〜400,000円 | 事業計画書の作成を含み高額になる |
| 高度専門職 | 100,000〜200,000円 | ポイント計算と書類の整合性が重要 |
| 配偶者ビザ | 80,000〜150,000円 | 交際経緯の説明に工数がかかる |
| 永住許可 | 100,000〜200,000円 | 10年以上の在留実績の立証が必要 |
経営管理ビザや特定技能は、事業計画書や支援計画の作成が必要なため、技人国ビザに比べて報酬が高くなる傾向があります。逆に、更新申請で転職がない場合は比較的安価に対応してもらえることが多いです。
企業向けと個人向けで費用が異なるケース
一部の事務所では、企業からの依頼と個人からの依頼で料金を分けている場合があります。
企業向け料金が安くなるパターン
- 上場企業やカテゴリー1・2に該当する企業は、必要書類が少なく審査がスムーズなため、割引料金が適用される
- 複数名を同時に申請する場合、2人目以降の料金が割引される「ボリュームディスカウント」がある
- 顧問契約を結ぶと、個別申請より1件あたりの単価が下がる
出入国在留管理庁は、納税額や社会保険の加入状況に応じて企業をカテゴリー1〜4に分類しており、カテゴリー1(上場企業など)やカテゴリー2(前年分の給与所得の源泉徴収税額が1,000万円以上の企業)は提出書類が大幅に少なくなります(出典 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」)。この場合、行政書士の工数も減るため、料金が低くなる傾向があります。
自分で申請した場合との費用比較
行政書士に依頼せず自分で申請すれば、行政書士の報酬分だけ費用を節約できます。しかし、自己申請にはリスクが伴います。
| 項目 | 自分で申請 | 行政書士に依頼 |
|---|---|---|
| 費用 | 手数料4,000円+実費のみ | 30,000〜200,000円+手数料+実費 |
| 書類作成の負担 | 全て自分で作成 | 行政書士が作成 |
| 入管への提出 | 自分で出頭 | 行政書士が申請取次 |
| 不許可リスク | 審査ポイントの見落としが起きやすい | 専門家の知見で不許可リスクを低減 |
| 不許可時の対応 | 自分で原因分析と再申請 | 事務所が原因分析と再申請を対応 |
更新申請で転職がなく、過去に不許可歴もない場合は自己申請でも問題ないケースが多いです。一方、認定申請・変更申請・転職後の更新は審査が厳しいため、行政書士への依頼を強く推奨します。不許可になると再申請までの時間と労力が二重にかかるため、結果的に行政書士への依頼料以上のコストが発生します。
(「費用を節約したい」という理由で自己申請した結果、不許可になり、再申請を行政書士に依頼するケースは非常に多いです。最初から行政書士に依頼していれば1回で済んだものが、2回分の時間と追加費用がかかることになります。)
最後に
就労ビザ申請の行政書士費用は、申請種別・在留資格の種類・サービス範囲によって大きく異なります。料金を比較する際は、表面上の金額だけでなく「何が含まれているか」「不許可時の対応はどうか」「追加費用の有無」まで確認することが重要です。
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