永住者は在留期間に制限がないため、「在留カードの更新は不要」と思い込んでいる方が非常に多いです。しかし、在留カードそのものには有効期限があり、永住者でも定期的な更新手続きが必要です。この記事では、永住者の在留カードの有効期限や更新手続き、特別永住者との違い、帰化した場合の取扱いまで、実務の視点から整理して解説します。
目次
永住者の在留カードは在留期間の制限がないが有効期限は7年
永住者の在留資格は、在留期間が「無期限」です。つまり、在留期間更新許可申請を行う必要はありません。しかし、在留カード自体には「交付日から7年間」という有効期限が設定されており、この期限が来たらカードの更新が必要です。
在留カードの表面右側に有効期間満了日が「西暦年月日」で記載されていますので、まずはご自身のカードを確認してください。永住者の方は在留期間更新許可申請がないぶん、入管との接点が少なくなり、在留カードの有効期限を意識する機会がほとんどありません。しかし、期限が切れたカードは身分証明書として機能しなくなりますし、後述のとおり罰則の対象にもなります。
他の在留資格(就労ビザや配偶者ビザなど)の場合は、在留期間の満了日と在留カードの有効期限が一致しているため、在留期間更新許可申請を行えば同時に新しいカードが交付されます。つまり、在留カード自体の有効期間更新が独立した手続きとして必要になるのは、永住者に特有の問題です。
(申請の現場では、永住許可を取得してから一度もカードの有効期限を確認したことがないという方が珍しくありません。銀行口座の開設や携帯電話の契約時に期限切れが発覚して慌てるケースが多いです)
なお、16歳未満の永住者については、有効期間が「16歳の誕生日まで」に設定されます。16歳到達後に交付される新しい在留カードから、有効期間が7年に切り替わります。
永住者の在留カード更新は有効期間満了日の2か月前から申請可能
永住者の在留カードの有効期間更新申請は、有効期間満了日の2か月前から満了日当日までに行う必要があります。申請先は住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。
手続きの流れは、申請書類を窓口に提出し、その場で新しい在留カードを受け取るというシンプルなものです。在留期間更新許可申請のように審査に時間がかかることはなく、実務上は即日交付されることがほとんどです。平日に管轄の出入国在留管理局へ出向く必要がありますが、手続き自体は混雑していなければ30分程度で完了します。
申請は本人が窓口に出頭するのが原則ですが、16歳未満の方については同居の親族が代理で申請することが可能です。また、申請取次の届出をしている行政書士が取り次ぐこともできますので、平日に仕事を休めない方は専門家への依頼も選択肢です。
(実務上の感覚としては、永住者の在留カード有効期間更新は在留関係の手続きの中でも最もシンプルな部類です。書類に不備がなければ窓口で即日交付されるケースが多いので、構える必要はありません)
必要書類はパスポート・写真・在留カードの3点
永住者の在留カード有効期間更新申請に必要な書類は以下のとおりです。
- 在留カード有効期間更新申請書
- 写真(縦4cm×横3cm、3か月以内に撮影したもの)
- パスポート(提示)
- 現在所持している在留カード(提示)
在留期間更新許可申請とは異なり、在職証明書や課税証明書などの立証書類は不要です。カードの切替手続きであるため、在留資格の審査は行われません。申請書は出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロードできます。
手数料は無料です。ただし、紛失や汚損による再交付申請の場合は手数料として1,300円がかかりますので、有効期間内の更新とは区別してください。写真はスピード写真で問題ありませんが、背景が白または薄い色で、正面から撮影された鮮明なものを用意してください。
特別永住者は在留カードではなく「特別永住者証明書」が交付される
「特別永住者」と「永住者」は名称が似ていますが、法律上の位置づけがまったく異なります。特別永住者は入管特例法に基づく在留資格であり、在留カードは交付されず、代わりに「特別永住者証明書」が交付されます。
特別永住者とは、第二次世界大戦前から日本に居住していた朝鮮半島・台湾出身者とその子孫に認められた法的地位です。入管法上の在留資格とは別の体系で管理されているため、在留カードの対象外となっています。
特別永住者証明書は在留カードと同じくICチップが内蔵されたカード型の証明書ですが、発行元や手続き窓口が異なります。在留カードは出入国在留管理局が管轄しますが、特別永住者証明書の更新手続きはお住まいの市区町村の窓口で行います。
特別永住者証明書の有効期間と更新手続き
特別永住者証明書の有効期間は以下のとおりです。
- 16歳以上の方は、交付日から7年間(誕生日まで)
- 16歳未満の方は、16歳の誕生日まで
更新手続きは、有効期間満了日の2か月前から申請可能です。必要書類はパスポート、写真(縦4cm×横3cm)、現在の特別永住者証明書の3点で、市区町村の窓口に申請します。出入国在留管理局に出向く必要はありません。永住者の在留カード更新と手続き先が異なる点は、家族内で永住者と特別永住者が混在するケースで特に注意が必要です。
特別永住者証明書の更新を忘れた場合も罰則の対象になりますが、在留カードの場合とは異なり、入管特例法上は「10万円以下の過料」が規定されています。刑事罰ではなく行政罰である点が永住者の在留カード更新忘れとの違いです。
(実務上、特別永住者の方から「在留カードの更新をしたい」とご相談いただくことがありますが、そもそも在留カードは持っていない、というケースがあります。ご自身が特別永住者であることを認識していても、証明書の名称まで正確に把握している方は意外と少ないです)
永住者と特別永住者の在留カード上の違いを比較する
永住者と特別永住者は混同されやすいため、主な違いを表にまとめます。
| 項目 | 永住者 | 特別永住者 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 出入国管理及び難民認定法 | 入管特例法 |
| 交付される証明書 | 在留カード | 特別永住者証明書 |
| 有効期間 | 交付日から7年 | 交付日後の7回目の誕生日まで |
| 更新手続きの窓口 | 地方出入国在留管理官署 | 市区町村の窓口 |
| 常時携帯義務 | あり | なし(努力義務のみ) |
| 在留資格の取消し | 対象となる場合あり | 原則として取消しなし |
特に注目すべき違いは常時携帯義務の有無です。永住者は在留カードの常時携帯が法律上義務づけられており、携帯していない場合は20万円以下の罰金の対象になります。一方、特別永住者は特別永住者証明書の携帯は努力義務にとどまり、携帯していなくても罰則はありません。
また、有効期間の計算方法にも微妙な違いがあります。永住者の在留カードは「交付日から7年」ですが、特別永住者証明書は「交付日後の7回目の誕生日まで」です。同じ7年でも満了日の算出方法が異なるため、有効期限を確認する際はカードに印字された日付を直接確認するのが確実です。
帰化して日本国籍を取得した場合は在留カードの返納が必要
帰化が許可されて日本国籍を取得した場合、その時点で「外国人」ではなくなるため、在留カードは14日以内に出入国在留管理局へ返納しなければなりません。
返納の方法は、最寄りの地方出入国在留管理官署の窓口に直接持参するか、東京出入国在留管理局おだいば分室に郵送するかのいずれかです。返納時には在留カードに穴を開けて無効化されます。
帰化後に在留カードを返納しないまま放置する方がいますが、これは入管法上の義務違反です。帰化の手続きは法務局で行いますが、在留カードの返納先は出入国在留管理局であるため、手続き窓口が異なる点に注意してください。郵送で返納する場合は、在留カードを封筒に入れ、「在留カード等返納届出書」を同封のうえ、書留で送付するのが確実です。
なお、永住者に限らず、日本国籍を取得した時点ですべての在留資格が消滅します。永住権を持っていた方の中には「永住権カードを記念に手元に残しておきたい」と希望される方もいますが、返納は法律上の義務であるため、必ず手続きを行ってください。
(申請の現場では、帰化許可後の手続きとして「在留カードの返納」を忘れている方が一定数います。帰化申請を行政書士に依頼している場合はリマインドされますが、ご自身で申請した場合は返納を忘れがちです)
帰化により日本国籍を取得した方は、在留カードだけでなく、外国のパスポートに記載された上陸許可証印等の抹消手続きも必要になる場合があります。帰化後の届出事項を漏れなく確認してください。
永住者の在留カード更新を忘れた場合は20万円以下の罰金の対象
在留カードの有効期間更新を怠った場合、入管法第71条の2により20万円以下の罰金が科される可能性があります。永住者であっても例外ではありません。
さらに、有効期限が切れた在留カードを所持したまま生活することで、以下のような実害が生じます。
- 在留カードが身分証明書として使えなくなる(銀行、携帯契約、就職等に支障)
- 在留カードの常時携帯義務違反にも問われる可能性がある
- 在留資格の取消し事由には直接該当しないが、入管への印象が悪くなる
実務上は、更新を忘れていた方がすぐに罰金を科されるケースは多くはありませんが、法律上は処罰対象であることに変わりはありません。有効期間満了日の2か月前にはカレンダーにリマインダーを設定するなど、忘れない仕組みを作ることをおすすめします。
(正直なところ、永住者の在留カード更新忘れは「あるある」です。ただ、近年は入管の管理が厳格化しているため、以前より指摘を受けるリスクが高まっています。うっかりでは済まないケースも出てきているので、早めの対応を心がけてください)
なお、有効期間を過ぎてしまった場合でも、永住者の在留資格自体が失われるわけではありません。速やかに出入国在留管理局で更新手続きを行えば、新しい在留カードが交付されます。ただし、期限切れの状態を長期間放置していた場合は、窓口で事情を説明する必要があるほか、場合によっては始末書的な書面の提出を求められることもあります。
最後に
永住者の在留カードは、在留期間こそ無期限ですが、カード自体の有効期限は7年です。更新手続きは書類も少なくシンプルですが、期限を過ぎると20万円以下の罰金の対象になります。特別永住者との制度上の違いや、帰化した場合の返納義務など、ご自身の状況に応じた正しい手続きを把握しておくことが大切です。
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