家族滞在ビザとは?取得条件・申請方法・扶養要件を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 家族滞在ビザの取得条件や対象者を確認したい
  • 扶養要件を満たしているか判断がつかない
  • 家族を日本に呼び寄せたいがどのビザが適切かわからない

家族滞在ビザは、就労ビザや留学ビザを持つ外国人の扶養を受ける配偶者や子どもが、日本に滞在するための在留資格です。家族を日本に呼び寄せたいと考えている方にとって最も一般的な選択肢ですが、扶養要件を満たしているかどうかの判断は簡単ではありません。この記事では、家族滞在ビザの取得条件、申請方法、扶養要件の具体的な基準、そして申請時の注意点まで、実務経験に基づいて詳しく解説します。

家族滞在ビザは扶養者の在留資格に紐づく在留資格

家族滞在ビザ(在留資格「家族滞在」)は、日本に在留する外国人(扶養者)の扶養を受けて生活する配偶者または子が取得できる在留資格です。入管法上の正式な名称は「家族滞在」であり、在留資格の一覧表において「別表第一の四」に分類されています。

家族滞在ビザの最大の特徴は、扶養者の在留資格に依存する「従たる在留資格」であることです。扶養者が在留資格を失えば、家族滞在ビザも維持できなくなります。扶養者の在留資格が更新されなかった場合や、扶養者が帰国した場合は、家族滞在ビザの保持者も帰国しなければならないのが原則です。

家族滞在ビザの対象となる「家族」は、法律上の配偶者と子に限定されています。親や兄弟姉妹は家族滞在ビザの対象外です。親を日本に呼び寄せたい場合は、短期滞在ビザ(観光目的で最長九十日)や、高度専門職の優遇措置(一定の条件を満たす場合に親の帯同が認められる)を検討することになります。

対象 家族滞在ビザの取得可否 備考
配偶者(法律婚) 取得可能 事実婚・内縁関係は対象外
子(実子・養子) 取得可能 養子は普通養子・特別養子ともに対象
取得不可 高度専門職の親帯同制度を別途検討
兄弟姉妹 取得不可 該当する在留資格なし

(実務上、「内縁の妻」や「事実婚のパートナー」を家族滞在ビザで呼び寄せたいというご相談をいただくことがありますが、法律上の婚姻関係がない以上、家族滞在ビザの対象にはなりません。また、同性パートナーについても、日本の法律で同性婚が認められていない現状では家族滞在ビザの申請はできません)

家族滞在ビザの取得条件は三つの柱で構成される

家族滞在ビザを取得するためには、以下の三つの条件をすべて満たす必要があります。

扶養者が対象となる在留資格を保有していること

家族滞在ビザは、扶養者が特定の在留資格を保有している場合にのみ申請できます。すべての在留資格の保持者が家族を呼び寄せられるわけではありません。

扶養者として認められる在留資格は以下のとおりです。

  • 教授
  • 芸術
  • 宗教
  • 報道
  • 高度専門職
  • 経営・管理
  • 法律・会計業務
  • 医療
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 企業内転勤
  • 介護
  • 興行
  • 技能
  • 特定技能2号
  • 文化活動
  • 留学

注意すべき点として、特定技能1号の保持者は家族滞在ビザで家族を呼び寄せることができません。特定技能1号は制度設計上、家族の帯同が認められていないためです。特定技能2号に移行すれば家族帯同が可能になります。また、技能実習生も家族滞在ビザの対象外です。

扶養者が家族を扶養する経済力を有していること

入管は、扶養者が家族を経済的に養える十分な収入・資産を有しているかを審査します。これが「扶養要件」と呼ばれるもので、家族滞在ビザの審査において最も重要な判断基準の一つです。

扶養要件を満たしているかの判断は、扶養者の収入額、扶養家族の人数、住居の状況などを総合的に考慮して行われます。明確な収入基準が公表されているわけではありませんが、実務上の目安は以下のとおりです。

扶養家族の人数 年収の目安(実務上の感覚)
配偶者のみ 年収250万円以上
配偶者と子一人 年収300万円以上
配偶者と子二人 年収350万円以上

上記はあくまで実務上の目安であり、年収が目安を下回っていても、預貯金が十分にある場合や、住居費が低い場合などは許可されるケースもあります。逆に、年収が高くても多額の負債がある場合は扶養能力に疑義が生じることがあります。

扶養者が留学生の場合は、奨学金の受給証明書や本国からの送金記録、アルバイト収入の証明などを提出して経済基盤を示します。留学生の場合は収入が低いことが多いため、本国の家族からの仕送りや預貯金の残高証明を補足資料として提出することが効果的です

申請者が扶養者の配偶者または子であること

家族滞在ビザの申請者は、扶養者の法律上の配偶者または子でなければなりません。配偶者については、法律上の婚姻関係が必要であり、婚姻証明書でその関係を立証します。子については、実子・養子(普通養子・特別養子)のいずれも対象です。

子の年齢制限について明確な法律上の規定はありませんが、子が成人している場合は「扶養を受けている」という実態の立証がより厳しく審査されます。成人した子が経済的に自立している場合は、扶養関係が認められず不許可になる可能性があります。

家族滞在ビザの申請方法と必要書類

家族滞在ビザの申請は、家族が海外にいる場合と日本に在留中の場合で手続きが異なります。

家族の状況 手続きの種類 申請者
海外にいる家族を呼び寄せる 在留資格認定証明書(COE)交付申請 扶養者が代理人として申請
日本に在留中の家族の在留資格を変更する 在留資格変更許可申請 家族本人が申請
家族滞在ビザの更新 在留期間更新許可申請 家族本人が申請

主な必要書類は以下のとおりです。

  • 在留資格認定証明書交付申請書(または変更・更新の申請書)
  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • 扶養者のパスポートおよび在留カードの写し
  • 扶養者の在職証明書(または在学証明書)
  • 扶養者の住民税の課税証明書・納税証明書
  • 扶養者と申請者の関係を証明する書類(婚姻証明書、出生証明書など)
  • 扶養者の収入を証明する書類(源泉徴収票、確定申告書の写しなど)
  • 返信用封筒(COE申請の場合)

関係証明書類は外国語で発行されている場合、日本語訳の添付が必要です。翻訳者の氏名と連絡先を記載した上で署名すれば、本人や知人が翻訳したものでも構いません。

家族滞在ビザの在留期間と更新の注意点

家族滞在ビザに付与される在留期間は、三か月、六か月、一年、一年三か月、二年、二年三か月、三年、四年、四年三か月、五年のいずれかです。初回の申請では一年が付与されることが多く、更新を重ねることで在留期間が延びていきます。

更新時に注意すべきポイントは以下のとおりです。

  • 扶養者の在留資格が有効であること。扶養者の在留資格が失効していると更新できない
  • 扶養関係が継続していることは配偶者の場合は婚姻関係の継続、子の場合は扶養の実態
  • 扶養者の経済力が維持されていること。収入の減少がある場合は追加の説明が必要
  • 資格外活動許可の条件を遵守していること。週28時間を超えるアルバイトがないこと

家族滞在ビザの更新申請は、在留期間の満了日の三か月前から可能です。更新申請中は、在留期間が満了しても申請結果が出るまでの間(最長二か月間)は引き続き日本に滞在できます。ただし、更新申請を怠ってオーバーステイになると退去強制の対象となるため、更新手続きは余裕を持って行ってください。

(扶養者が転職した場合、家族滞在ビザの保持者にも影響が及ぶことがあります。扶養者が転職によって在留資格の変更が必要になった場合は、家族滞在ビザの更新時にも扶養者の新しい勤務先の情報を提出する必要があります)

家族滞在ビザでできること・できないこと

家族滞在ビザで認められる活動は、扶養者の扶養を受けて日常生活を送ることが基本です。就労や収入を得る活動は原則として認められていません。

活動内容 可否 備考
日常生活 特に制限なし
学校への通学 小中学校、高校、大学、専門学校等
アルバイト 条件付きで可 資格外活動許可を取得し、週28時間以内
フルタイム就労 不可 就労系在留資格への変更が必要
会社の経営 不可 「経営・管理」への変更が必要

アルバイトをするには資格外活動許可を取得する必要があります。資格外活動許可を得れば、週28時間以内のアルバイトが可能です。資格外活動許可の申請は入管で行い、審査期間は通常二週間から一か月程度です。

子が成長して就職する場合は、家族滞在ビザのままではフルタイムの就労ができないため、「技術・人文知識・国際業務」などの就労系在留資格への変更が必要です。日本の大学や専門学校を卒業していれば、在留資格の変更が比較的スムーズに進みます。

家族滞在ビザに関するよくある質問

家族滞在ビザから永住申請はできるのか

家族滞在ビザから直接永住申請を行うことは可能です。ただし、家族滞在ビザの保持者が永住許可を受けるためには、扶養者が永住者であるか、または申請者自身が十年以上日本に在留しているなどの要件を満たす必要があります。実務上は、扶養者がまず永住許可を取得し、その後に家族滞在ビザの保持者が永住申請をするのが一般的な流れです。

扶養者が離婚した場合はどうなるか

扶養者と離婚した場合、家族滞在ビザの基礎となる扶養関係が消滅するため、在留資格を維持できなくなります。この場合は、他の在留資格への変更(就労系在留資格や「定住者」など)を検討するか、帰国することになります。離婚後も在留資格の変更手続きを行わないままオーバーステイにならないよう注意してください。正当な理由なく六か月以上在留資格に基づく活動を行っていない場合は、在留資格の取消し対象にもなります。

子が生まれた場合のビザ手続き

日本で子が生まれた場合、出生から三十日以内に在留資格の取得申請を行う必要があります。出生届は出生後十四日以内に市区町村役場に提出しますが、在留資格の取得申請は別途入管に行います。三十日以内に申請を行わないと不法残留の状態になるため、出生後は速やかに手続きを進めてください。

最後に

家族滞在ビザに関するご不明点がございましたら、在留資格センターまでお気軽にご相談ください。扶養要件の事前確認から申請書類の作成、入管への申請取次まで、一貫してサポートいたします。


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