留学ビザとは、日本の大学・専門学校・日本語学校などで教育を受けるための在留資格「留学」を指す通称です。審査で最も問われるのは学費と生活費を賄えるかという経費支弁能力で、在留中はアルバイト時間の上限や出席率の管理といった独自のルールが課されます。この記事では、取得条件と必要書類、資格外活動許可による週28時間ルール、在留期間更新で見られるポイント、卒業後に日本で働くための切り替え方法まで、申請実務の視点から整理します。
目次
留学ビザは日本の教育機関で学ぶための在留資格で在留期間は最長4年3月
在留資格「留学」は、日本の大学、高等専門学校、高等学校、中学校、小学校、専修学校、各種学校などで教育を受ける活動を行うための在留資格です。対象となる教育機関の幅は広く、大学院生も日本語学校生も同じ「留学」という一つの在留資格でくくられます。在留期間は法務大臣が個々に指定する期間で、4年3月を超えない範囲とされています(出典 出入国在留管理庁「在留資格『留学』」)。
出入国在留管理庁の統計によると、2025年末時点の在留外国人数は412万5,395人で初めて400万人を超え、そのうち在留資格「留学」で在留する人は46万4,784人、前年末から6万2,650人増加しています(出典 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」)。在留資格の中でも上位に入る規模で、それだけ入管が審査ノウハウを蓄積している分野でもあります。
対象となる教育機関は大学から日本語学校まで幅広い
「留学」の対象機関は次のとおりです。企業の研修生受入れや家族の付き添いは対象外で、あくまで教育機関に在籍して教育を受けることが前提となります。
- 大学、大学院、短期大学、大学の別科・専攻科・研究生・聴講生
- 高等専門学校(高専)
- 高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部
- 中学校、小学校(義務教育学校を含む)
- 専修学校の専門課程(専門学校)・高等課程・一般課程
- 各種学校、および設備・編制がこれらに準ずる機関(日本語教育機関など)
日本語教育機関については、2024年4月に日本語教育機関認定法が施行され、留学生を受け入れられるのは国の認定を受けた「認定日本語教育機関」の留学生受入れ課程へと整理が進んでいます。学校選びの段階で、その学校が留学生を受け入れられる機関かどうかを必ず確認してください。ここを外すと、そもそもCOE(在留資格認定証明書)の交付申請ができません。
(日本語学校を選ぶとき、学費の安さだけで決めてしまう方がいます。実務上、不交付率が高い学校を選ぶと本人の書類が完璧でも巻き添えで審査が厳しくなります。学校の適正校区分は入学前に確認しておく価値があります)
在留期間は課程の修業年限に合わせて個別に指定される
「留学」の在留期間は一律ではなく、在籍する課程の修業年限や残りの就学期間に合わせて入管が個別に決定します。実務上よく見る区分は以下のとおりです。
| 在籍機関・課程 | 指定されやすい在留期間 | 実務上の傾向 |
|---|---|---|
| 大学(学部4年制) | 4年3月・4年・2年3月 | 初回から4年3月が出るケースもあるが、2年程度で区切られることも多い |
| 大学院(修士) | 2年3月・2年 | 課程年限に3か月を足した期間が基本 |
| 短期大学・専門学校(2年制) | 2年3月・2年・1年3月 | 初回は1年3月で様子を見られることがある |
| 日本語教育機関 | 1年3月・1年・6月 | 1年3月が中心。進学準備の段階では短めに出やすい |
| 研究生・聴講生 | 1年・6月・3月 | 在籍期間が短いため短期の指定になりやすい |
末尾の「3月」は卒業後の手続き期間を見込んだ上乗せです。3月末に卒業する学生の在留期限が6月末や7月上旬に設定されているのはこのためで、卒業後すぐに在留資格が切れるわけではないという点は覚えておいてください。ただしこの猶予期間に何もしないまま期限を迎えるとオーバーステイになります。
取得条件で最重要なのは経費支弁能力の立証
留学ビザの審査で入管が最も厳しく見るのは、在留期間中の学費と生活費を確実に支払えるかどうかです。上陸許可基準でも、申請人が在留中の生活に必要な費用を支弁する十分な資産・奨学金その他の手段を有することが求められています。申請人以外の者が費用を負担する場合は、その支弁者に支弁能力があることを示す必要があります。
申請の現場では、学業成績や日本語力よりも先に経費支弁の資料が精査されます。ここが崩れると、どれだけ立派な学習計画書を出しても不交付になります。
年間の必要経費は学校種別で大きく変わる
経費支弁能力を判断する土台になるのが、年間にいくら必要かという金額です。実務上の目安は次のとおりです。
| 学校種別 | 年間学費の目安 | 生活費を含めた年間必要額の目安 |
|---|---|---|
| 日本語教育機関 | 70万円〜90万円 | 200万円前後 |
| 国公立大学 | 約54万円(授業料) | 180万円〜220万円 |
| 私立大学(文系) | 100万円〜130万円 | 230万円〜280万円 |
| 私立大学(理系・医歯薬系) | 150万円〜400万円超 | 300万円以上 |
| 専門学校 | 100万円〜130万円 | 230万円〜270万円 |
生活費は住む地域で差が出ますが、東京圏の単身であれば月12万円から15万円程度を見込んでおくのが現実的です。入管に示す残高証明の水準は、最低でも初年度分の学費と生活費を合算した額と考えてください。日本語学校であれば200万円前後、私立理系であれば300万円以上の裏付けが求められる計算になります。
経費支弁者が親族の場合は送金能力と関係を証明する
留学生の大半は、本国の父母が費用を負担する形で申請します。この場合に必要になるのは、支弁者の資力を示す資料と、支弁者と申請人の身分関係を示す資料の二本立てです。
- 経費支弁書(誰がいくらをどのように支弁するかを明記した書面)
- 支弁者の預金残高証明書
- 支弁者の収入証明書、納税証明書、在職証明書
- 直近3年分程度の預金通帳の取引明細(入出金の流れがわかるもの)
- 出生証明書、戸口簿、家族関係証明書など身分関係を示す公的資料
実務で最も不交付につながりやすいのが、残高の「出どころ」が説明できないケースです。申請直前に数百万円がまとめて入金され、それ以前は残高がほとんどない通帳を出すと、入管は形式を整えるための一時的な資金移動とみなします。年収と貯蓄額の整合性も見られます。年収80万円の支弁者名義で500万円の残高証明が出てくれば、当然その理由を問われます。
残高証明書だけを提出して通帳の取引明細を出さない申請は、追加資料の提出を求められる典型パターンです。入管は「今いくらあるか」ではなく「安定して支弁し続けられるか」を見ています。預金の形成過程がわかる資料を最初から添付しておく方が、結果的に審査は早く進みます。
日本語能力と学習意欲も審査対象になる
専修学校や各種学校で学ぶ場合は、日本語教育機関で6か月以上の日本語教育を受けたこと、日本語能力試験や日本語NAT-TESTなどで一定の日本語力を証明できることが求められます(日本語教育そのものを受ける場合は除きます)。実務上の目安として、専門学校の入学時にはJLPTのN2程度、少なくともN4からN3相当の日本語力が確認できる資料を求められるケースが一般的です。
もう一つ問われるのが学習意欲、つまり「なぜ日本で、なぜその学校で、なぜその分野を学ぶのか」の一貫性です。母国での最終学歴から相当年数が空いている、専攻と全く関係のない分野に進学する、卒業後の計画が曖昧といったケースでは、就労目的の入国を疑われます。学習計画書と申請理由書で、母国での経歴、日本語学習歴、進学先の選定理由、卒業後の展望を一本の線でつなぐ必要があります。
(「日本で働きたいので留学します」と正直に書いてしまい不交付になった例は何件も見てきました。就職を目指すこと自体は否定されませんが、まず学ぶことが主目的であると示さなければ、在留資格「留学」の趣旨から外れます)
申請ルートは海外からのCOE申請と国内からの変更申請の2つ
留学ビザの取得ルートは、申請人がどこにいるかで分かれます。海外にいるなら在留資格認定証明書の交付申請から始まり、すでに日本にいるなら在留資格変更許可申請になります。
海外在住者はCOE交付申請から査証申請へ進む
本国から日本の学校に入学する場合の標準的な流れは以下のとおりです。多くの学校では、入学許可後に学校側が代理人として入管に申請してくれます。
- 学校に出願し、入学許可(合格)を得る
- 学校を通じて地方出入国在留管理局へCOE交付申請を行う(審査期間はおおむね1か月から3か月)
- 交付されたCOEが本人のもとへ郵送される
- 本国の日本大使館・総領事館でCOEを添えて査証(ビザ)を申請する(おおむね5営業日程度)
- 査証の貼付されたパスポートで来日し、上陸審査を経て在留カードの交付を受ける
4月入学であれば前年11月頃、10月入学であれば5月頃が申請の受付時期にあたります。COEの有効期間は交付から3か月なので、交付後に来日を先延ばしにすると失効します。COEの手続き全般は在留資格認定証明書(COE)交付申請の記事で詳しく整理しています。
ここで押さえておきたいのは、COEの交付と査証の発給は別の審査だという点です。COEが出ても大使館側の判断で査証が出ないことはあり得ます。過去の不法滞在歴や偽変造書類の提出歴がある場合は、この段階で止まります。
国内在住者は在留資格変更許可申請で「留学」に切り替える
すでに日本にいる方が進学する場合、たとえば日本語学校から専門学校に進む、家族滞在で在留していた子どもが大学に進学する、就労系の在留資格から大学院に入り直すといったケースでは、在留資格変更許可申請を行います。
変更申請の場合も審査の軸は同じで、経費支弁能力と学習の実態です。加えて日本国内での在留状況、つまり前の学校の出席率、資格外活動の時間、税金や国民健康保険の納付状況が直接的に見られます。日本語学校での出席率が7割を切っている状態で専門学校への変更を申請すると、かなりの確率で不許可になります。
必要書類は本人・経費支弁者・学校の3方向から揃える
提出書類は申請区分によって多少異なりますが、主なものは次のとおりです。学校側が用意する書類も多いため、早めに学校の留学生担当窓口に依頼してください。
| 準備する主体 | 主な書類 |
|---|---|
| 申請人本人 | 申請書、証明写真(縦4cm×横3cm)、パスポート・在留カード(変更申請の場合)、最終学歴の卒業証明書と成績証明書、日本語能力を証明する資料、学習計画書・申請理由書 |
| 経費支弁者 | 経費支弁書、預金残高証明書、収入・納税証明書、在職証明書、預金通帳の写し、身分関係を証する資料、送金実績の資料 |
| 受入れ校 | 入学許可書、在籍証明書、学校案内、学費納入状況の資料、出席率・成績の証明(変更・更新の場合) |
手数料は、在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請のいずれも窓口で6,000円、オンライン申請で5,500円です。2025年4月1日以降に受け付けられた申請から適用されています(出典 出入国在留管理庁「在留手続等に関する手数料の改定」)。COE交付申請自体に手数料はかかりません。
アルバイトは資格外活動許可を取って週28時間以内が上限
在留資格「留学」は本来、就労が認められていない在留資格です。アルバイトをするには資格外活動許可(本来の在留資格の活動以外に収入を伴う活動を行うための許可)を取得する必要があります。許可なく働けば、金額の多寡にかかわらず不法就労になります。
包括的な資格外活動許可の条件は、1週について28時間以内であること、そして活動場所で風俗営業等が営まれていないことです(出典 出入国在留管理庁「『留学』の在留資格に係る資格外活動許可について」)。許可は在留カードの裏面に記載され、カード表面の「就労制限の有無」欄が就労不可のままでも、資格外活動許可があれば範囲内で働けます。この仕組みは在留カードが「就労不可」でも働ける?資格外活動許可の取り方の記事で詳しく解説しています。
長期休業期間は1日8時間以内まで拡大される
教育機関の長期休業期間中は、1日について8時間以内という基準に切り替わります。週に換算すると最大40時間まで働けることになり、夏休みや春休みに集中してシフトを入れる留学生が多いのはこのためです。
| 期間 | 就労可能時間 | 注意点 |
|---|---|---|
| 通常の学期中 | 1週28時間以内 | 複数のアルバイト先の合計時間で判断される |
| 長期休業期間中 | 1日8時間以内(週40時間以内) | 学校が定める休業期間に限られる。試験期間や自主的な休みは対象外 |
| 卒業後から在留期限まで | 原則として就労不可 | 次の在留資格への変更申請中も従前の許可の範囲を超えられない |
「1週」の数え方も要注意です。入管の運用では、どの曜日から数え始めても常に28時間以内でなければならないとされています。月曜起算で28時間ちょうどでも、水曜起算で数えると32時間になるようなシフトは超過と判断されます。週の区切りを自分に都合よく設定して28時間に収める、という理屈は通用しません。
風俗営業に関わる仕事は許可の範囲外
資格外活動許可があっても、風俗営業や店舗型・無店舗型性風俗特殊営業に関わる業務には一切従事できません。時間の長短は関係なく、1時間でもアウトです。具体的には次のような職場が該当します。
- キャバクラ、ホストクラブ、スナックなどの接待飲食等営業
- パチンコ店、麻雀店、ゲームセンター
- 性風俗関連特殊営業を行う店舗
- 上記店舗内での皿洗いや清掃など、接客を伴わない業務
誤解が多いのは最後の項目です。「ホールに出ないから大丈夫」「厨房だけだから問題ない」という説明を店側から受けて働いてしまう留学生がいますが、活動場所において風俗営業等が営まれていないことが許可の条件である以上、業務内容が裏方でも違反になります。ここは実務上、最も多い誤解の一つです。
28時間超過は不許可・取消しに直結する
週28時間の超過は、その場で発覚しなくても、後の在留期間更新や在留資格変更の審査で必ず問題になります。入管は課税証明書や住民税の課税額から年間収入を把握できるためです。時給1,200円で週28時間、年50週働いた場合の収入は約168万円です。年収が200万円を大きく超えていれば、超過を疑われるのが自然な流れになります。
1週について28時間を超えて働いた場合、資格外活動違反として退去強制の対象になり得ます。悪質な場合は不法就労として3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金の対象となり、雇用した側も不法就労助長罪に問われます。
アルバイトを掛け持ちしている場合、勤務先ごとに28時間ではなく、すべての勤務先の合計で28時間以内である必要があります。1店舗20時間、もう1店舗15時間という組み合わせは合計35時間となり明確な違反です。給与明細は自分で保管し、月間の総労働時間を把握しておいてください。
在留期間の更新では出席率と成績が最大の審査ポイント
在留期間更新許可申請で入管が見るのは、本当に学生として活動しているかどうかの一点に尽きます。判断材料になるのが出席率と成績、そして学費の納入状況です。手続きの流れそのものは在留期間更新許可申請の完全ガイドで解説しているとおりですが、留学の場合は独自の審査ポイントがあります。
出席率8割を下回ると更新が厳しくなる
実務上の分水嶺は出席率80%です。多くの日本語教育機関や専門学校は、出席率が80%を下回った学生について入管への報告義務を負っており、報告が上がれば更新審査で直接的に問われます。目安は次のとおりです。
| 出席率 | 更新審査での扱い |
|---|---|
| 90%以上 | 問題視されることはほとんどない |
| 80%〜90% | 理由書で欠席理由の説明を求められることがある |
| 70%〜80% | 診断書など客観的資料での説明が必要。更新期間が短縮される場合がある |
| 70%未満 | 不許可のリスクが高い。学校の推薦も得にくくなる |
出席率が下がる典型的な原因はアルバイトの過重です。深夜勤務で朝の授業に出られない状態が続けば、出席率と成績の両方が落ちます。週28時間の遵守と出席率の維持はセットの問題だと考えてください。
更新申請は在留期限の3か月前から受け付けられる
在留期間更新許可申請は、在留期限の3か月前から申請できます。留学の場合、学期の切り替わりや卒業と時期が重なるため、余裕を持って動くことが重要です。主な提出書類は申請書、証明写真、パスポートと在留カード、在学証明書、成績証明書、出席証明書、学費の納入証明、そして経費支弁能力を示す資料です。
更新時にも経費支弁の裏付けは求められます。来日時に示した預金がすでに底をついている、支弁者からの送金が途絶えている、学費が滞納しているといった状態は、そのまま不許可理由になります。(更新は形式的な手続きだと思われがちですが、留学に関しては初回申請と同じくらい実質的な審査が行われます)
退学・除籍から3か月放置すると在留資格が取り消される
入管法第22条の4は、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていない場合を在留資格取消しの事由として定めています。留学生でいえば、退学・除籍・長期の休学によって学校に在籍していない状態が3か月続けば、正当な理由がない限り取消しの対象になります。
学校を除籍された後、在留資格に応じた活動を行わないままアルバイトを続けて在留していたケースは、入管自身が取消しの具体例として挙げているパターンです。取消しの各事由や手続きの流れは在留資格が取り消される6つのケースと対処法で整理しています。
取消しになると出国猶予は最大30日
取消しの手続きでは、まず入管から意見聴取の通知が届き、意見聴取を経て取消しの可否が判断されます。取消しが決定した場合、出国のための猶予期間として30日以内の期間が指定されることがありますが、偽りその他不正の手段で在留資格を得ていた場合は猶予なしで退去強制手続きに移行します。
実務でよく見るのは、退学した事実を家族にも学校にも相談できず、そのまま数か月アルバイトを続けてしまうパターンです。この状態は取消し事由に該当するだけでなく、資格外活動許可の前提も失っているため不法就労にもなります。退学や除籍が決まった時点で、次の進学先を探して変更申請をするか、出国の準備をするか、いずれかの判断を速やかに下す必要があります。
転校・休学のときは14日以内の届出を忘れない
中長期在留者は、所属機関である教育機関に変更が生じた場合、14日以内に出入国在留管理庁へ届け出る義務があります。卒業、退学、転校、名称変更などが対象です。この届出を怠ると20万円以下の過料の対象となり、更新や変更の審査でも在留状況の不良として評価されます。
(届出は入管のオンラインシステムや郵送でもできる簡単な手続きですが、忘れている留学生は本当に多い。更新申請の際に届出漏れが発覚して説明を求められる、というのはよくある光景です)
卒業後の進路は技人国・就職活動の特定活動・特定活動46号の3択
卒業が近づくと、在留資格をどう切り替えるかという問題が出てきます。選択肢は大きく3つあり、内定の有無と業務内容で決まります。
| 選択肢 | 前提条件 | 在留期間 | 就労の範囲 |
|---|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | 専攻と関連する職務内容の内定があること | 5年・3年・1年・3月 | 専門的・技術的分野の業務 |
| 特定活動(継続就職活動) | 卒業校の推薦状があり就職活動を継続していること | 6か月(最長1年まで更新可) | 資格外活動許可で週28時間以内 |
| 特定活動(告示46号) | 本邦の大学卒業かつJLPT N1相当の日本語力 | 5年・3年・1年・6月・3月 | 日本語能力を活用する幅広い業務(現場業務を含む) |
専攻と業務が結びつくなら技人国への変更が本命
最も一般的な進路が技術・人文知識・国際業務(技人国)への変更です。審査の核心は、大学や専門学校で学んだ専攻内容と就職先の業務内容に関連性があるかどうか。情報工学からITエンジニア、経営学から営業・マーケティング、日本語学科から通訳・翻訳といった組み合わせは認められやすい一方、飲食店のホール業務や工場のライン作業といった単純労働に該当する職務は認められません。
大学卒業者は幅広い教養科目を履修する前提があるため関連性が比較的緩やかに解釈される傾向がありますが、専門学校卒の場合は専攻との直接的な関連が厳しく求められます。ただし許可の可否はあくまで個別の事情によって判断されるため、同じ組み合わせでも結果が分かれることはあります。
申請は4月入社であれば前年12月から2月に出すのが理想です。3月下旬以降の申請だと、入社日に許可が間に合わないリスクが高くなります。
内定が出ていないなら継続就職活動の特定活動で最長1年
卒業までに内定が取れなかった場合でも、すぐに帰国する必要はありません。卒業校の推薦状を得られれば、就職活動を目的とした「特定活動」に変更でき、6か月ごとの更新で卒業後最長1年間日本に滞在しながら就職活動を続けられます。資格外活動許可を取れば週28時間以内のアルバイトも可能です。
この在留資格に切り替えるには、卒業したことに加えて、実際に就職活動を行っている証拠(応募履歴、面接の記録、説明会の参加記録など)を示す必要があります。何もせず滞在を延ばすための手段としては認められません。
特定活動46号なら接客・現場業務も含めた幅広い仕事に就ける
日本の大学を卒業し、日本語能力試験N1またはBJTビジネス日本語能力テスト480点以上を持っている場合、特定活動46号という選択肢があります。この在留資格の最大の特徴は、技人国では認められない接客業務や製造ラインでの業務であっても、日本語能力を活用する業務であれば従事できる点です(出典 出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(本邦大学等卒業者及びその配偶者等)」)。
対象となるのは本邦の大学・大学院の卒業者、短大・高専卒で学士の学位を授与された者、および外国人留学生キャリア形成促進プログラムの認定を受けた専門課程を修了して高度専門士の称号を得た者です。日本語学校や一般の専門学校の卒業だけでは対象外という点は誤解が多いところです。報酬は日本人と同等額以上であることが必要で、単純作業のみに従事させることも認められません。
飲食業や小売業で留学生を採用したい企業にとって、特定活動46号は現実的な受け皿になります。ただし、通訳や接客リーダーとしての役割が業務の中に組み込まれていることを説明できなければ許可は下りません。(「N1を持っているから46号で通る」と考えて雑な申請書を出し、不許可になる企業は少なくありません。業務内容の設計そのものが問われます)
家族の帯同には家族滞在ビザが必要で単身留学より審査は重い
留学生が配偶者や子どもを日本に呼ぶ場合、家族側は家族滞在ビザを申請します。ただし、留学生を扶養者とする家族滞在の審査は、就労系在留資格の家族を呼ぶ場合よりも明確に厳しくなります。理由は単純で、留学生本人には原則として収入がないため、扶養能力の立証が難しいからです。
実務上、次のような条件が整っていないと交付は難しくなります。
- 大学院生や国費留学生など、奨学金や研究費で安定した収入が確認できる
- 本国の経費支弁者が、留学生本人だけでなく家族分の生活費も支弁できることを示せる
- 家族の生活費を含めた十分な預金残高(1人増えるごとに年100万円以上の上乗せが目安)がある
- 日本での居住予定の住居が確保されている
日本語学校在籍中に家族を呼ぶのは、実務上かなり困難です。まず本人が大学や大学院に進学し、在留状況を安定させてから呼び寄せを検討する方が現実的です。なお家族滞在で在留する配偶者も、資格外活動許可を取得すれば週28時間以内で就労できます。
実務で多い不許可・不交付の5パターン
留学ビザの申請で不交付・不許可になる原因は、ある程度パターン化されています。申請の現場で繰り返し見てきた5つを挙げます。
経費支弁の資料に整合性がない
最多の原因です。申請直前の一括入金、支弁者の年収と預金残高の乖離、送金経路が説明できない資金、複数の学生で同じ支弁者を使い回すといったケースが該当します。対策は、3年分程度の通帳の動きを添えて、資金がどう形成されたかを時系列で説明することです。
学習目的と経歴に一貫性がない
母国での最終学歴から5年以上のブランクがある、母国で大学を出ているのに日本の日本語学校から入り直す、卒業後の計画が「日本で働きたい」だけで具体性がない、といったケースでは就労目的を疑われます。ブランクがある場合はその間の職歴と、なぜ今この分野を学ぶ必要があるのかを申請理由書で丁寧に説明する必要があります。
過去の在留状況に問題がある
前の学校での出席率不良、資格外活動の時間超過、住民税や国民健康保険料の未納は、変更・更新の審査で直接的なマイナス材料になります。国民健康保険料は「学生だから払わなくていい」という誤解が広まっていますが、未納が判明すれば在留状況の不良として評価されます。
提出書類の偽造は5年以上の上陸拒否につながる
成績証明書、残高証明書、在職証明書などの偽造は、発覚した時点で不交付が確定するだけでなく、その後の申請にも長期にわたり影響します。上陸拒否事由に該当すれば5年以上日本に入国できなくなります。ブローカーに書類作成を任せて、本人が内容を把握していないまま偽造書類が提出されていたという事例も実際にあります。
受入れ校の適正校区分が低い
日本語教育機関は在籍者の不法残留率などに応じて区分され、区分が下位の学校からの申請は提出書類が増え、審査も厳しくなります。本人の資料に問題がなくても、学校側の要因で不交付になることがあります。学校選びの段階から審査は始まっていると考えてください。
不交付・不許可になった場合は、まず入管の窓口で理由を確認してください。電話では詳細な説明を受けられないことがほとんどです。理由が経費支弁の説明不足であれば資料を整えて再申請、学習目的の一貫性であれば理由書を作り直すという形で、原因に応じた立て直しが可能です。理由を確認しないまま同じ書類で再申請しても結果は変わりません。
最後に
在留資格「留学」は、経費支弁能力の立証で入口が決まり、出席率と資格外活動の管理で在留の継続が決まり、専攻と業務の関連性で卒業後の進路が決まる在留資格です。週28時間のルールを軽く見て働きすぎた結果、就労ビザへの変更で不許可になる留学生は毎年一定数います。逆に言えば、ルールを守って在留状況を整えておけば、卒業後の選択肢は技人国・特定活動46号・継続就職活動と複数用意されています。学生のうちから出口を意識して行動することが、日本でのキャリアを開く最短ルートです。
在留資格センターでは、留学ビザの認定証明書交付申請・変更・更新から、卒業後の就労ビザへの切り替えまでのご相談を承っています。3万円からの業界最安値水準で、許可率100%の実績を持つ専門スタッフがオンラインで全国対応いたします。24時間以内にご返信しますので、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

